Z変換 入門

Introduction to Z-Transform

入門

入門レベルについて

入門では、片側Z変換の定義と基本的な変換公式を学び、最も基本的な性質(線形性・時間シフト)を理解する。等比級数を使って具体的な信号のZ変換を導出し、ディジタルフィルタの伝達関数・極・安定性の概念を理解する。

収束領域(ROC)、両側Z変換、畳み込み定理、Z変換のその他の性質については初級で扱う。

コンテンツ一覧

第1章:Z変換の定義と応用

片側Z変換の定義、基本信号のZ変換(等比級数による導出)、伝達関数・極・安定性の概念、ディジタルフィルタへの応用をステムプロット・ブロック図・極零図付きで解説。

片側Z変換 等比級数 伝達関数 極と安定性 ブロック図

第2章:Z変換の基本性質

Z変換の最も基本的な性質である線形性と時間シフトを証明と応用例で学ぶ。

線形性 時間シフト z⁻¹ = 遅延

前提知識

  • 等比級数の和の公式
  • 複素数の基本(オイラーの公式 $e^{j\theta} = \cos\theta + j\sin\theta$)

読み物

とびとびの世界の変換 [読み物]

連続のラプラス変換に対し、とびとびの数列を相手にするのがZ変換。なぜ数列を一つの $z$ の式に畳むと便利なのかを、等比級数の魔法やサンプル値制御の歴史を交えて、肩の力を抜いて語る。

とびとびに切り取る [読み物]

なめらかな音をなぜ毎秒44100回も拾うのか。連続の世界をとびとびに切り取るサンプリングと、その安全ラインを定める標本化定理を、CDが44.1kHzになった歴史やエイリアシングの例を交えて語る。

やまびこと残響のしくみ [読み物]

やまびこ、お風呂場の反響、ホールの余韻。音を遅らせて足し戻すだけで残響が生まれるしくみを、$z^{-1}$(遅延)とフィードバックの輪、そして極と単位円による安定の境目まで、肩の力を抜いて語る。