「読書したいけど、まとまった時間が取れない…」
「仕事や家事で忙しくて、本を読む余裕がない…」
こんな悩みを抱えていませんか? もしかすると「まとまった時間がないと読書できない」というのは思い込みかもしれません。
日常生活の中には、意外と多くの「スキマ時間」が潜んでいます。 通勤電車、病院の待合室、昼休み、就寝前の数分… これらの時間を活用すれば、忙しい人でも十分に読書習慣を作ることができます。
あなたの1日に潜むスキマ時間
まず、1日の中にどれくらいのスキマ時間があるか、計算してみましょう。
日常に潜むスキマ時間の例
| シーン | 時間の目安 |
|---|---|
| 通勤・通学(片道) | 15〜60分 |
| 昼休み | 10〜30分 |
| 待ち時間(病院、役所など) | 10〜30分 |
| 就寝前 | 10〜30分 |
| 起床後 | 5〜15分 |
| 入浴中(防水対策必要) | 10〜20分 |
| 合計 | 60〜185分 |
なんと、1日に1〜3時間ものスキマ時間がある計算になります。 仮に1日30分だけでも読書に充てれば、月に15時間、年間180時間もの読書時間を確保できます。 一般的なビジネス書(200ページ程度)なら、年間20〜30冊は読める計算です。
シーン別・スキマ時間読書のコツ
スキマ時間の特性に合わせて、読書の仕方を変えると効率が上がります。
1. 通勤・通学時間
多くの人にとって、最も長いスキマ時間が通勤・通学です。
通勤読書のコツ
- 電子書籍が便利:片手で操作でき、かさばらない
- イヤホンでオーディオブック:満員電車でも聴ける
- 短い章で区切れる本を選ぶ:途中で中断しやすい
- 前日の続きをすぐ開けるように:しおり機能を活用
車通勤の人は、オーディオブックがおすすめです。 Amazonの Audible や audiobook.jp などのサービスを使えば、 運転中でも「耳で読書」ができます。
2. 昼休み
食事を終えた後の10〜20分は、読書のゴールデンタイムです。
昼休み読書のコツ
- 食事と読書を分ける:食べながら読むと集中できない
- 静かな場所を見つける:カフェ、公園のベンチなど
- 軽めの内容を選ぶ:午後の仕事に支障が出ない程度に
- 15分タイマーをセット:没頭しすぎて午後に遅刻しないように
3. 待ち時間
病院、役所、美容室など、予約していても待たされることがあります。 この「強制的な空き時間」を読書に活用しましょう。
待ち時間読書のコツ
- 常にスマホに本を入れておく:電子書籍アプリを活用
- 短編集やエッセイが向いている:どこからでも読める
- 呼ばれても気にしない本を:没入しすぎると呼び出しを聞き逃す
4. 就寝前
就寝前の読書は、睡眠の質を高める効果もあります。 ただし、いくつか注意点があります。
就寝前読書の注意点
- 紙の本がベスト:スマホやタブレットのブルーライトは睡眠を妨げる
- 電子書籍なら暖色モードに:ブルーライトカット設定を使う
- 刺激の強い内容は避ける:ミステリーやホラーは興奮して眠れなくなることも
- 時間を決める:「15分読んだら寝る」と決めておく
電子書籍 vs 紙の本:使い分けのコツ
スキマ時間読書では、電子書籍と紙の本の使い分けがポイントになります。
電子書籍のメリット
- いつでもどこでも:スマホさえあれば読める
- 何冊でも持ち歩ける:重さを気にしなくていい
- 暗い場所でも読める:バックライトがある
- 文字サイズを変更できる:老眼でも読みやすい
- 検索・ハイライトが簡単:後で見返しやすい
紙の本のメリット
- 目に優しい:ブルーライトの心配がない
- 「読んでいる感」がある:ページをめくる感触
- 空間的記憶が働く:「あのページの右下あたりに書いてあった」と覚えやすい
- 電池切れの心配がない:いつでも読める
- デジタルの誘惑がない:SNS通知に邪魔されない
おすすめは、シーンによって使い分ける方法です。
使い分けの例
| シーン | おすすめ |
|---|---|
| 通勤電車(混雑) | 電子書籍(片手で操作) |
| カフェ・昼休み | 紙の本(集中しやすい) |
| 就寝前 | 紙の本(ブルーライトなし) |
| 突発的な待ち時間 | 電子書籍(常に持ち歩いている) |
| 旅行・出張 | 電子書籍(荷物を減らせる) |
短時間で集中するテクニック
スキマ時間読書の最大の課題は、「短時間でいかに集中するか」です。 5分や10分では集中できない…という人も多いでしょう。
1. 「前回の続き」をすぐ読める状態にする
電子書籍なら、自動的に前回の位置を記憶してくれます。 紙の本なら、付箋やしおりを活用しましょう。 「どこまで読んだっけ?」と探す時間は、集中を妨げます。
2. 読み始める「儀式」を作る
深呼吸を1回する、イヤホンを付ける、など、 「これから読書モードに入る」というスイッチを作りましょう。 脳が「読書の時間だ」と認識し、集中しやすくなります。
3. 通知をオフにする
スマホで電子書籍を読む場合、通知で集中が途切れるのが最大の敵です。 読書中は「おやすみモード」や「集中モード」をオンにしましょう。
4. 「5分だけ」と決めて始める
「30分読もう」と思うとハードルが高くなりますが、 「5分だけ」と思えば始めやすいものです。 実際に始めると、5分で終わらず続けて読むことも多いでしょう。
「作業興奮」の効果
脳科学では、やる気がなくても作業を始めると、 脳の「側坐核」が刺激されてやる気が出てくることが知られています。 これを「作業興奮」と呼びます。 つまり、「やる気が出たら読む」ではなく、「とりあえず読み始める」のが正解なのです。
※ 作業興奮の概念は心理学者エミール・クレペリン(Emil Kraepelin)の研究に由来します。側坐核とドーパミンの関係については、池谷裕二『海馬』(新潮文庫)などで解説されています。
スキマ時間向きの本の選び方
スキマ時間読書では、本の選び方も重要です。 長編小説のように「一気に読まないと面白くない」本より、 細切れに読んでも楽しめる本を選びましょう。
スキマ時間向きの本
- 短編集:1話完結で区切りがつけやすい
- エッセイ:1篇が短く、どこからでも読める
- ビジネス書:章立てが明確で、途中から読んでも理解できる
- 実用書:必要な部分だけ読める
- 新書:1テーマに絞った内容で、章ごとに区切りやすい
スキマ時間に不向きな本
- 長編ミステリー:伏線を覚えていないと楽しめない
- 専門書:集中して読まないと理解できない
- 大河小説:登場人物が多く、間を空けると忘れる
ただし、これはあくまで目安です。 長編小説でも、毎日少しずつ読み進めて楽しむ人もいます。 自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。
複数デバイスで「続き」を読む
スキマ時間読書を効率化するコツとして、 複数のデバイスで同じ本を読む方法があります。
例えば、通勤中はスマホで、自宅ではタブレットで、同じ電子書籍を読む。 Kindleや楽天Koboなどの電子書籍サービスは、 読書位置を自動で同期してくれるので、どのデバイスでも「続き」から読めます。
同様に、読書記録や読書メモも複数デバイスで同期できると便利です。 スマホでサッとメモして、後からPCでじっくり整理する、という使い方ができます。
スキマ時間読書の「見える化」
スキマ時間読書を続けるモチベーションを保つには、「見える化」が効果的です。
見える化のアイデア
- 読書時間を記録:「今日は通勤で15分読んだ」と記録
- 読んだページ数を記録:進捗が目に見える
- 月間・年間の読書量を集計:積み重ねを実感できる
- 読了した本のリストを作る:達成感が得られる
「たった10分の読書」も、積み重ねると大きな成果になります。 その積み重ねを目に見える形で記録することで、モチベーションが維持できます。
まとめ
「時間がないから読書できない」は思い込みだったかもしれません。 日常に潜むスキマ時間を活用すれば、忙しい人でも読書習慣を作ることができます。
この記事のポイント
- 1日には60〜185分のスキマ時間がある
- シーンに合わせて電子書籍と紙の本を使い分ける
- 「5分だけ」と決めて始めると、集中しやすい
- 短編集やエッセイなど、細切れに読みやすい本を選ぶ
- 読書記録の「見える化」でモチベーションを維持
今日から、通勤電車でスマホを開いたとき、 SNSの代わりに電子書籍アプリを開いてみませんか? その小さな変化が、あなたの読書習慣を変える第一歩になるかもしれません。