「本は1冊ずつ読み終えてから次へ進むべき」
そう思っていませんか?
実は、多くの読書家は複数の本を同時に読んでいます。 これを「並行読書」と呼びます。 並行読書には、飽きずに読書を続けられる、知識が結びつきやすいなど、多くのメリットがあります。
この記事では、並行読書のメリットと、成功させるためのコツを紹介します。
なぜ「1冊ずつ」にこだわる必要がないのか
「本は1冊ずつ読むべき」という考えは、学校教育の影響かもしれません。 教科書は最初から順番に学ぶもの、という感覚が染みついているのです。
しかし、大人の読書に「正解」はありません。 自分に合った読み方を見つけることが大切です。
読書家たちの並行読書
多読家として知られる人々の多くは、複数の本を同時に読んでいます。 評論家の立花隆氏は常に10冊以上の本を並行して読んでいたと言われています。 ビル・ゲイツ氏も、旅行のたびに複数のジャンルの本を持っていくことで知られています。 「1冊ずつ」にこだわらないことが、読書量を増やす秘訣なのかもしれません。
並行読書の5つのメリット
1. 飽きずに読書を続けられる
1冊の本を読み続けていると、途中で飽きてしまうことがあります。 特に、難しい本や分厚い本は、モチベーションが続かないことも。
並行読書なら、飽きたら別の本に切り替えられます。 気分転換しながら読書を続けることで、結果的に読了する本が増えます。
2. 気分に合わせて本を選べる
朝は頭がすっきりしているから専門書、 夜は疲れているから軽いエッセイ、 というように、そのときの気分や体調に合わせて本を選べます。
気分×本の組み合わせ例
| 気分・状況 | 向いている本 |
|---|---|
| 朝、頭がすっきり | 専門書、ビジネス書 |
| 通勤中(電車) | 新書、短編集 |
| 昼休み | 軽いビジネス書、エッセイ |
| 夜、リラックス | 小説、エッセイ |
| 週末、まとまった時間 | 長編小説、専門書 |
3. 知識が結びつきやすい
異なるジャンルの本を並行して読むと、 思わぬところで知識が結びつくことがあります。
例えば、歴史の本と経営の本を同時に読んでいて、 「歴史上の人物の戦略が、現代のビジネス戦略に通じる」と気づくこともあります。 このような「知識の連結」は、1冊ずつ読んでいては起こりにくいものです。
インターリービング効果
認知科学の研究では、同じ内容を繰り返し学ぶより、 異なる内容を交互に学ぶ方が記憶に残りやすいことが分かっています。 これを「インターリービング効果」と呼びます。 並行読書は、この効果を自然に活用していることになります。
4. 「読めない本」を後回しにできる
本を読み始めたものの、「今の自分には難しい」「思っていた内容と違った」ということがあります。 1冊ずつ読む主義だと、そこで読書が止まってしまいます。
並行読書なら、「今は読めない本」を一時的に保留して、別の本に移れます。 数ヶ月後、知識や経験が増えてから再挑戦すると、すんなり読めることもあります。
5. 待ち時間を有効活用できる
複数の本を読んでいると、「今この場所にある本」をすぐに読み始められます。 カバンに入れていた本、Kindleに入っている本、自宅に置いてある本、など。 どこでも「続き」を読める状態を作れます。
並行読書を成功させる5つのコツ
並行読書にはメリットがたくさんありますが、 やり方を間違えると「どれも中途半端」になってしまいます。 成功させるためのコツを紹介します。
1. ジャンルを分ける
同じジャンルの本を同時に読むのは避けましょう。 内容が混同して、どちらに書いてあったか分からなくなります。
おすすめは、以下のようにジャンルを分けることです。
並行読書の組み合わせ例(3冊の場合)
- 1冊目:仕事に関係するビジネス書・専門書
- 2冊目:教養を広げるノンフィクション・新書
- 3冊目:楽しみのための小説・エッセイ
2. 読む場所・時間を分ける
「この本は通勤中」「この本は寝る前」というように、 本と場所・時間をセットにすると、自然と切り替えができます。
また、特定の場所に特定の本を置いておくと、「ここではこの本を読む」という習慣が作りやすくなります。
3. 同時に読む冊数を決める
並行読書に慣れていない人は、まず2〜3冊から始めましょう。 多すぎると管理が大変になり、どれも進まなくなります。
慣れてきたら、4〜5冊に増やしても構いません。 ただし、「読みかけの本が多すぎて把握できない」状態は避けましょう。
4. 進捗を「見える化」する
複数の本を読んでいると、「どの本がどこまで進んでいるか」を把握することが重要です。 読書記録ツールやノートで、各本の進捗を管理しましょう。
進捗が見えると、「この本はあと少しで読了できる」「この本は止まっている」が分かり、 優先順位を判断しやすくなります。
5. 定期的に「棚卸し」する
月に1回程度、読みかけの本を棚卸ししましょう。
棚卸しのチェックポイント
- 今、何冊の本を並行して読んでいるか?
- それぞれの進捗は?(○%)
- 1ヶ月以上進んでいない本はないか?
- 「読み続けたい」か「中断する」か判断する
長期間進んでいない本は、「今は読まない」と決断することも大切です。 いつか読む気が起きたら再開すればいいのです。
並行読書の注意点
物語の続きものは慎重に
シリーズものの小説やミステリーは、間を空けすぎると前の内容を忘れてしまいます。 物語の続きものは、できるだけ間を空けずに読むか、 並行読書から除外して「これだけは集中して読む」とするのがおすすめです。
専門書の「積み上げ式」には注意
数学の教科書のように、前の章を理解しないと次の章が読めない「積み上げ式」の本は、 並行読書で間を空けると、前の内容を忘れて読み進められなくなることがあります。 このタイプの本は、短期集中で読む方が効率的です。
「読了」の達成感を忘れずに
並行読書の落とし穴は、「いつまでも読み終わらない」ことです。 どの本も中途半端で、読了の達成感が得られないと、モチベーションが下がります。
時々は「この1冊を今週中に読み切る」と決めて、読了の達成感を味わいましょう。
並行読書に向いている人・向いていない人
並行読書に向いている人
- 1冊の本を読み続けると飽きてしまう
- 複数のジャンルに興味がある
- 気分によって読みたい本が変わる
- スキマ時間を活用したい
- 読書量を増やしたい
1冊ずつ読む方が向いている人
- 物語に深く没入したい
- 複数の本を管理するのが面倒
- 読了の達成感を重視する
- 内容が混同するのが嫌
どちらが「正しい」ということはありません。 自分に合った読み方を見つけることが大切です。 まずは試してみて、合わなければ1冊ずつに戻せばいいのです。
まとめ
「本は1冊ずつ読むべき」という思い込みを捨てて、並行読書を試してみませんか? 飽きずに読書を続けられ、知識も結びつきやすくなります。
この記事のポイント
- 並行読書なら飽きずに読書を続けられる
- ジャンルを分けて、内容の混同を防ぐ
- 読む場所・時間を本ごとに分けると効果的
- 同時に読む冊数は2〜3冊から始める
- 進捗の「見える化」と定期的な「棚卸し」が重要
まずは、今読んでいる本に加えて、もう1冊を並行して読み始めてみてください。 新しい読書スタイルが見つかるかもしれません。