挫折しない読書習慣の作り方:
続けられる人の7つの秘訣

頭を抱えて悩む女性

「今年こそ読書習慣をつけよう!」と決意したものの、気づけば本棚で眠ったまま…
「最初の数日は読めたのに、忙しくなったらすぐに途切れてしまった…」

そんな経験はありませんか?実は、読書習慣を「始めたい」と思う人のうち、3ヶ月後も続けている人はわずか32%という調査結果があります。 つまり、約68%の人が挫折してしまうのです。

しかし、続けられる人には共通する「秘訣」があります。それは根性や時間の多さではなく、科学的に実証された習慣化のテクニックです。 この記事では、行動心理学の研究に基づいた、挫折しない読書習慣の作り方を7つの秘訣としてお伝えします。

なぜ読書習慣は続かないのか?

まず、読書習慣が続かない理由を理解することが重要です。多くの人が陥る3つの罠があります。

読書習慣が続かない3つの罠

  1. 完璧主義の罠:「毎日1時間読まなければ」「最後まで読み切らなければ」という思い込み
  2. 意志力の罠:「やる気があれば続けられる」という誤解。意志力は消耗資源です
  3. 孤独の罠:進捗が見えず、達成感も得られないため、モチベーションが続かない

これらの罠を避け、科学的に正しいアプローチで習慣化すれば、誰でも読書を続けることができます。

秘訣1:「10分ルール」で小さく始める

習慣化の第一歩は、ハードルを極限まで下げることです。

スタンフォード大学の習慣化研究

スタンフォード大学のBJ・フォッグ教授による「タイニー・ハビット」理論では、 行動を小さくすればするほど習慣化しやすいことが実証されています。 脳は大きな変化を嫌いますが、小さな変化には抵抗しません。 「毎日1時間」ではなく、「毎日10分」から始めることで、習慣化の成功率が格段に上がります。

10分ルールの実践方法

  • 最初の21日間は10分だけ:それ以上読みたくなっても、あえて10分で切り上げる
  • タイマーを使う:10分測ることで、時間の感覚が身につく
  • 「たった10分」と唱える:疲れた日も「たった10分だけ」と自分に言い聞かせる

※ 10分で約5〜10ページ読めます。1ヶ月で150〜300ページ、つまり1〜2冊の本が読めます。

10分の読書なら、通勤電車の中、昼休みの後、寝る前のちょっとした時間で実現できます。 「時間がない」という言い訳ができなくなるのです。

秘訣2:「if-thenプランニング」で自動化する

習慣化に成功する人は、「いつ読むか」を明確に決めています。 これは心理学で「実行意図(implementation intention)」と呼ばれる技法です。

実行意図の効果

ニューヨーク大学のピーター・ゴルヴィツァー教授の研究によると、 「〇〇したら△△する」という形式で計画を立てた人は、目標達成率が2〜3倍高くなることが分かっています。 これは、脳が「if(もし)」の状況を検知すると、自動的に「then(そのとき)」の行動を実行するようプログラムされるためです。

if-thenプランニングの例

  • 朝型:「朝のコーヒーを淹れたら、10分読書する」
  • 通勤型:「電車に乗ったら、本を開く」
  • 夜型:「ベッドに入ったら、スマホではなく本を手に取る」
  • 昼休み型:「昼食を食べ終わったら、10分だけ読書する」

ポイントは、すでに習慣になっている行動の直後に読書を組み込むことです。 「コーヒーを飲む」「電車に乗る」といった日常の行動がトリガーとなり、自然と読書が始まるようになります。

読書記録をつけると、自分がどの時間帯に読書できているかを振り返ることができ、 最適なタイミングを見つけるのに役立ちます。

秘訣3:「20ページルール」で完璧主義を捨てる

読書習慣を続けるうえで最大の敵は、「最後まで読まなければいけない」という完璧主義です。

20ページルールとは?

アメリカの読書指導で広く使われている法則で、 「20ページ読んで面白くなければ、その本は今のあなたに合っていない」という考え方です。 無理に読み続けるのではなく、別の本に切り替えることで、読書へのネガティブな感情を避けられます。

  • 面白くない本を無理に読むのは時間の無駄
  • 読書が苦痛になると、習慣自体が崩れる
  • 「読みかけの本」があっても罪悪感を持たない

また、「最初から最後まで順番に読む」必要もありません。ビジネス書や実用書なら、 目次を見て興味のある章だけを読む「つまみ食い読書」も立派な読書スタイルです。

読了率100%にこだわらず、「読んだページ数」や「得た気づき」を記録することが大切です。 途中で読むのをやめた本も、「なぜ合わなかったか」をメモしておくことで、次の本選びの参考になります。

秘訣4:「本の選び方」を変える

挫折する人の多くは、「読むべき本」を選んでしまっています。 習慣化の初期段階では、「読みたい本」を選ぶことが何より重要です。

習慣化に適した本の選び方

  • 難しすぎない本:専門書より、読みやすい一般書から
  • 興味のあるテーマ:「ためになるから」ではなく「面白そう」で選ぶ
  • 短めの本:最初は200〜300ページ程度がおすすめ
  • 複数ジャンルを用意:気分に合わせて選べるように、2〜3冊を並行して

読書習慣が定着してから、難易度の高い本やページ数の多い本に挑戦すればいいのです。 最初は「読書を楽しむ」ことを最優先にしましょう。

内発的動機づけの重要性

心理学者デシとライアンの「自己決定理論」によると、 自分の興味・関心から生まれる「内発的動機」が、習慣の継続に最も重要とされています。 「自己啓発のために読まなきゃ」という義務感(外発的動機)では長続きしません。 「この本、面白そう!」というワクワク感が、習慣を支える原動力になります。

秘訣5:「進捗の見える化」でモチベーションを維持する

習慣が続かない大きな理由の一つは、「達成感が得られない」ことです。 読書は、筋トレのように目に見える変化が現れにくいため、続けていても手応えを感じにくいのです。

進捗の見える化が効果的な理由

  • 小さな達成感の積み重ね:毎日の進捗が目に見えることで、脳が報酬を感じる
  • 継続の実感:「もう2週間続いている」という事実が、さらなるモチベーションに
  • 振り返りの材料:どれだけ成長したかを客観的に確認できる

進捗の見える化とドーパミン

脳科学の研究では、目標に向かって進んでいる実感があるとき、脳内でドーパミン(やる気ホルモン)が分泌されることが分かっています。 つまり、進捗を可視化することで、脳が自然とやる気を出してくれるのです。 「読んだページ数」や「継続日数」を記録するだけで、この効果が得られます。

進捗を見える化する方法には、以下のようなものがあります。

進捗管理のアイデア

  • 読書記録のグラフ化:月間・年間の読書量を視覚的に確認
  • 継続日数の追跡:「何日連続で読んでいるか」を一目で確認
  • 読了本の一覧:積み重ねた本の数が、自信につながる
  • 目標設定:「月3冊」など、自分に合った目標を決める

特に「継続日数」は強力なモチベーション要因です。10日、20日と続くと、 「ここで途切れさせたくない」という心理が働き、自然と読書を続けるようになります。

秘訣6:「読みながらメモ」で楽しさを倍増させる

読書習慣を続けるには、「読書が楽しい」という実感が何より重要です。 そのための最も効果的な方法が、「読みながらメモを取ること」です。

メモを取ることで得られる3つの効果

  1. 能動的な読書になる:ただ読むより、考えながら読むようになる
  2. 記憶に残る自分の言葉で書くことで、記憶の定着率が上がる
  3. 後から振り返れる:「あの本に何が書いてあったか」がすぐに分かる

ただし、完璧なメモを書こうとする必要はありません。以下のような簡単なメモで十分です。

簡単メモの例

  • 一言メモ:「これは使える!」「意外だった」など、感じたことを一言
  • キーワード:印象に残った単語やフレーズだけをメモ
  • 自分への問いかけ:「これを自分の仕事にどう活かせるか?」
  • 気になる引用:心に響いた一文をそのまま記録

メモアプリや読書ノートを使えば、読書中にサッと思いついたことを記録できます。 デジタルなら後からキーワードで検索することも可能です。

メモを取ることで、読書がただの「情報のインプット」から、「自分なりの気づきを得る体験」に変わります。 これこそが、読書の真の楽しさであり、習慣を続ける原動力になります。

秘訣7:「読めない日」への対処法を用意する

どんなに習慣化しても、読めない日は必ずやってきます。大切なのは、そのときにどう対処するかです。

習慣の途切れに関する研究

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、 1回サボっただけでは習慣は失われないことが分かっています。 重要なのは、「2日連続でサボらないこと」です。1日だけなら影響はほとんどありませんが、 2日連続で途切れると、習慣が崩れやすくなります。

読めない日の対処法

  • 1ページでもOK:時間がなければ、1ページだけ読む
  • 本を開くだけでもOK:読まなくても、本を手に取るだけで「継続の糸」は切れない
  • 過去のメモを見返す:新しく読めなくても、以前の記録を読むだけでもOK
  • 罪悪感を持たない:「読めなかった」ではなく「明日また読める」と考える

たとえ1ページしか読めなくても記録を残すことが大切です。 「継続日数」がリセットされることはなく、「今週は〇日読めた」という形でカウントすることで、 完璧を求めずに自分のペースで続けられます。

また、読めない日が続いたときは、「なぜ読めなかったか」を振り返ることも大切です。 忙しさが原因なら読書時間を見直す、本が面白くないなら別の本に変える、といった調整ができます。

まとめ

読書習慣が続かないのは、あなたの意志が弱いからではありません。 正しい方法を知らなかっただけです。

挫折しない読書習慣の7つの秘訣

  1. 10分ルール:小さく始めて、ハードルを下げる
  2. if-thenプランニング:「いつ読むか」を明確に決める
  3. 20ページルール:完璧主義を捨て、合わない本は切り替える
  4. 本の選び方:「読むべき本」より「読みたい本」を選ぶ
  5. 進捗の見える化:達成感を得て、モチベーションを維持
  6. 読みながらメモ:能動的な読書で、楽しさを倍増
  7. 読めない日の対処:1日サボっても習慣は途切れない

これらの秘訣を実践すれば、読書は「頑張ってやるもの」から「自然とやりたくなるもの」に変わります。 読書がもたらす数々のメリットを、一生涯にわたって享受できるようになるのです。

今日から、挫折しない読書習慣を始めましょう。

参考文献・出典

  • Fogg, B. J. (2019). Tiny Habits: The Small Changes That Change Everything. Boston: Houghton Mifflin Harcourt.
    (邦訳:『習慣超大全』ダイヤモンド社)
  • Gollwitzer, P. M. (1999). Implementation intentions: Strong effects of simple plans. American Psychologist, 54(7), 493–503.
    https://psycnet.apa.org/doi/10.1037/0003-066X.54.7.493
  • Lally, P., et al. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009.
    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ejsp.674
  • Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). The "what" and "why" of goal pursuits: Human needs and the self-determination of behavior. Psychological Inquiry, 11(4), 227–268.
    https://selfdeterminationtheory.org/
  • Schultz, W. (2015). Neuronal reward and decision signals: From theories to data. Physiological Reviews, 95(3), 853–951.
    https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/physrev.00023.2014
  • Clear, J. (2018). Atomic Habits: An Easy & Proven Way to Build Good Habits & Break Bad Ones. New York: Avery.
    (邦訳:『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』パンローリング)

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