線形代数の教科書を読みながら、固有値分解の定理をメモしたい。量子力学の参考書で出てきたシュレーディンガー方程式を記録しておきたい。理系の学生やエンジニアなら、そんな場面に日常的に出会うはずです。
しかし、一般的な読書記録アプリで数式を入力しようとすると、すぐに壁にぶつかります。「$\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty} f(x) dx$」のような積分記号はもちろん、行列やベクトルの表記すら満足にできないものがほとんどです。
この記事では、数式に対応した読書ノートアプリの活用法を、具体的な使い方とともに紹介します。専門書の学びを確実に自分のものにしたい方は、ぜひ参考にしてください。
理系の読書記録が難しい3つの理由
理系の専門書は文系の本とは性質が異なります。数式や図表が内容の核心を担っており、テキストだけを抜き出しても意味が伝わらないことが少なくありません。それにもかかわらず、多くの読書記録ツールは理系の学習に最適化されていません。
1. 数式が入力できない
ほとんどのアプリはプレーンテキストのみ対応です。「Aの固有値分解はA=PDP^(-1)」のように無理やりテキストで書いても、読み返したときに意味を把握しづらくなります。
2. 図や表の記録が面倒
グラフや回路図を記録するには、手書きノートを撮影して画像として貼るしかありません。しかも、画像の中のテキストは検索にかかりません。
3. 復習のタイミングがわからない
専門書の内容は一度読んだだけでは身につきません。しかし「いつ復習すればいいか」を自分で管理するのは手間がかかり、結局やらなくなってしまいます。
MathJax数式入力で専門書のメモが変わる
読書の森では、ノートに MathJax で数式を入力できます。入力した数式はそのまま美しくレンダリングされます。
たとえば、フーリエ変換の公式なら次のように書けます。
$F(\omega) = \displaystyle\int_{-\infty}^{\infty} f(t)\, e^{-i\omega t}\, dt$
行列の固有値分解も、そのまま記録できます。
$A = PDP^{-1}$
もちろん、偏微分方程式やテンソル表記など、より高度な数式にも対応しています。数式を含むノートは全文検索の対象になるため、「固有値」や「フーリエ」で検索すれば、関連するメモをすぐに見つけられます。
こんな場面で便利
- 線形代数の教科書から重要な定理や証明の骨子をメモ
- 統計学の参考書から検定の公式や確率分布を記録
- 物理学の演習問題の解法や途中計算をストック
- 論文を読みながらキーとなる数式と自分の理解を並べて記録
AIを活用して数式を取り込む
数式を手で入力するのが面倒な場面もあります。そんなときは、教科書のページをスマホで撮影し、ChatGPT や Claude などの画像を読めるAIに読み取ってもらう方法が便利です。「この数式を MathJax で表示できる形式で出力して」と頼めば、そのままノートに貼り付けられます。
教科書の図やグラフを画像として記録
読書の森には、撮影した本のページ画像からたわみを除去して見やすく補正し、ノートに画像として保存する機能があります。教科書の図やグラフをきれいに記録しておきたいときに便利です。
忘却曲線に基づく復習リマインダー
ドイツの心理学者エビングハウスの研究によると、人間は学習した内容の約70%を24時間以内に忘れてしまいます。しかし、適切なタイミングで復習を行えば、記憶の定着率は大幅に向上します。
| 経過時間 | 復習なし | 適切な復習あり |
|---|---|---|
| 20分後 | 約60% | - |
| 1日後 | 約30% | 90%以上 |
| 6日後 | 約25% | 85%以上 |
| 1ヶ月後 | 約21% | 80%以上 |
読書の森では、記録ごとに復習スケジュールを設定でき、間隔反復(1日→3日→7日→14日→30日…)で復習日を自動生成します。復習が必要な記録には⏰アイコンが表示されるため、今日どのノートを見返すべきかがひと目でわかります。
数学の定理や物理の法則など、一度では覚えきれない内容の定着に特に効果的です。大学院の入試対策や資格試験の勉強にも活用できます。
本だけじゃない — 映画・音楽・ゲームも記録
研究や勉強の合間に、映画を観たり音楽を聴いたりすることもあるでしょう。読書の森は本だけでなく、映画・音楽・ゲームの鑑賞記録にも対応しています。
学術書のノートと趣味の鑑賞記録を別々のアプリで管理するのは手間ですし、データも分散してしまいます。ひとつのアプリにまとめることで、「先月は専門書を3冊読んで、映画を2本観た」といった振り返りも簡単にできます。
データは自分のもの — ローカル保存とエクスポート
クラウドのみに依存するサービスは、サービス終了とともにデータが失われるリスクがあります。4年間かけて蓄積した読書ノートが一夜にして消える可能性があるのは、理系の学生やエンジニアにとって大きな不安材料です。
読書の森では、データはまずローカル(端末内)に保存されます。さらにGoogle Driveとの同期にも対応しているため、端末の故障にも備えられます。データの主導権は常にユーザー自身にあります。
エクスポート形式も充実しています。CSV、Excel、Markdown、そしてBibTeXに対応しているため、学術論文を執筆する際の参考文献リスト作成にもそのまま活用できます。オフライン環境(PWA)でも動作するため、通信環境が不安定な場所でも安心して使えます。