「子どもに本を読む習慣をつけさせたい」
「でも、どうやって本に興味を持たせればいいか分からない…」
そんな悩みを抱える親御さんは多いのではないでしょうか。 スマートフォンやゲームが身近な現代、子どもを読書に向かわせるのは簡単ではありません。
しかし、読書習慣は一生の財産です。 読解力、想像力、集中力、語彙力…読書を通じて身につく力は、学業だけでなく、将来の仕事や人生全般に役立ちます。
この記事では、子どもの読書習慣を育てる「親子読書」の実践方法を紹介します。
親子読書がもたらす効果
親子で読書をすることには、子どもの読書習慣を育てる以上のメリットがあります。
親子読書の効果
- 親子のコミュニケーション:本をきっかけに会話が生まれる
- 子どもの語彙力向上:日常会話にない言葉に触れられる
- 想像力の発達:物語の世界を共有することで想像力が育つ
- 読書への前向きなイメージ:「読書=楽しい時間」と感じるようになる
- 親のリラックス効果:子どもと過ごす穏やかな時間になる
読み聞かせの効果(研究より)
アメリカ小児科学会(AAP)は、2014年に生後すぐからの読み聞かせを推奨する方針を発表しました。 オハイオ州立大学の研究(Logan et al., 2019)によると、毎日読み聞かせをされた子どもは、そうでない子どもと比べて、 就学時に約100万語以上多くの語彙に触れていることが分かっています。 この「言葉のシャワー」が、子どもの言語発達を大きく促進します。
年齢別・親子読書のアプローチ
子どもの年齢によって、適切な親子読書の方法は異なります。
0〜2歳:絵本に触れる時期
この時期は、本の「楽しさ」を感じさせることが大切です。 内容を理解させようとする必要はありません。
0〜2歳のポイント
- カラフルな絵本を選ぶ
- 触れる・めくるなど、本に触れる体験を
- 短い時間でOK:集中力は長く続かない
- 繰り返しを大切に:同じ本を何度読んでもいい
- 声を変えて読む:表情豊かに楽しく
3〜5歳:読み聞かせの黄金期
この時期は、読み聞かせの効果が最も高いと言われています。 物語を理解し、登場人物に感情移入できるようになります。
3〜5歳のポイント
- 毎日の習慣にする(寝る前がおすすめ)
- 子どもに本を選ばせる:図書館や本屋で一緒に
- 質問を投げかける:「次はどうなると思う?」
- 登場人物の気持ちを聞く:「○○はどんな気持ちかな?」
- 繰り返しの要求に応える:同じ本を何度も読みたがるのは正常
6〜8歳:読み聞かせから一人読みへの移行期
小学校に入ると、自分で本を読む力が身についてきます。 しかし、まだ読み聞かせも続けてください。 「自分で読める」と「楽しく読める」は別だからです。
6〜8歳のポイント
- 読み聞かせと一人読みを両方:まだ読み聞かせは効果的
- 交互読み:1ページずつ交代で読む
- 子どもが読んだ本について聞く:「どんな話だった?」
- 同じ本を親子で読む:感想を共有
- シリーズものを勧める:続きが気になって読み進める
9〜12歳:読書の自立期
この時期には、一人で読書を楽しめるようになります。 親の役割は「読み聞かせ」から「読書環境を整える」「本について会話する」に変わります。
9〜12歳のポイント
- 子どもの興味を尊重:漫画やライトノベルもOK
- 本を買う・借りる環境を整える
- 親も読書する姿を見せる:「読書は楽しいこと」を示す
- 本の話を食卓で:「今読んでる本、面白い?」
- 同じ本・同じ作家を読む:共通の話題になる
中学生以上:読書を通じたコミュニケーション
思春期に入ると、親子のコミュニケーションが減りがちです。 本は、そんな時期でも会話のきっかけになります。
中学生以上のポイント
- 押し付けない:「この本を読め」は逆効果
- さりげなく本を置いておく:興味を持てば手に取る
- 親が読んで面白かった本を共有:「この本すごく良かった」
- 映画やドラマの原作を勧める:興味を持ちやすい
- 本についての会話を大切に:価値観を知るきっかけ
本について語り合う方法
親子読書の醍醐味は、本をきっかけにした会話です。 ただし、「感想を言いなさい」と詰問しても、子どもは話してくれません。
自由に答えられる質問をする
「面白かった?」(Yes/Noで終わる)ではなく、 「どの場面が一番好きだった?」のように、自由に答えられる質問をしましょう。
会話を広げる質問例
- 「どの登場人物が好き? どうして?」
- 「もし○○だったら、どうすると思う?」
- 「このお話の続きがあったら、どうなると思う?」
- 「似たような経験をしたことある?」
- 「この本を誰かに勧めるとしたら、何て言う?」
親も自分の感想を言う
子どもに感想を求めるだけでなく、親も自分の感想を言うことが大切です。 「ママはこの場面でちょっと泣きそうになった」「パパはこの主人公、好きだな」など。 親が感想を言うことで、子どもも話しやすくなります。
正解を求めない
読書に「正解」はありません。 子どもの感想が親と違っても、「そういう見方もあるね」と受け止めましょう。 「それは違う」「もっとこう読むべき」と否定すると、子どもは本について話すのを嫌がるようになります。
子どもを本好きにする環境づくり
読書習慣を育てるには、環境づくりも重要です。
本が身近にある環境
- リビングに本棚を置く(子どもの目線の高さに本を)
- 寝室に本を置く(寝る前に手が届く場所に)
- 図書館に定期的に行く(週1回など習慣化)
- 本屋に一緒に行く(自分で選ぶ楽しさを知る)
読書の時間を作る
- 「寝る前の15分は読書タイム」などルールを作る
- テレビやゲームを消す時間を設ける
- 親も一緒に読む(スマホではなく本を)
読書を「強制」しない
「本を読みなさい!」と言われて読書が好きになる子どもはいません。 読書は楽しいもの、と感じてもらうことが大切です。 子どもが漫画やライトノベルばかり読んでいても、否定しないでください。 漫画から活字の本に興味が広がることもあります。
親の背中を見せる
子どもは親の行動を見て育ちます。 親がいつもスマホを見ていれば、子どもも「大人はスマホを見るもの」と学びます。 親が読書を楽しんでいる姿を見せることが、最も効果的な読書教育かもしれません。 「パパ、その本面白い?」と聞かれたら、「すごく面白いよ」と答えられる親でいたいものです。
親子で読んだ本を記録する
親子で読んだ本を記録しておくと、思い出にもなりますし、 子どもの成長を振り返ることもできます。
記録しておきたいこと
- 読んだ本のタイトル・著者
- 読んだ日付(いつ頃読んだか)
- 子どもの反応・感想(印象に残った言葉)
- 何回読んだか(お気に入りの本は何度も読む)
- おすすめ度(★で評価)
数年後に見返すと、「この本をこんなに気に入っていたんだ」「この頃はこんな本を読んでいたんだ」と、 子どもの成長を感じられます。
よくある悩みとその対処法
「本を読まない」
まずは子どもの興味に合った本を探しましょう。 恐竜が好きなら恐竜の本、電車が好きなら電車の本。 図書館の司書さんに相談するのもおすすめです。
「同じ本ばかり読みたがる」
これは正常なことです。子どもは繰り返しによって学びます。 飽きずに何度も読んであげてください。 同じ本を通じて、子どもは言葉や物語の構造を深く理解していきます。
「漫画しか読まない」
漫画も立派な読書です。漫画から活字の本への橋渡しを考えましょう。 漫画の原作小説、漫画と同じジャンルの小説などを勧めてみてください。
「忙しくて読み聞かせの時間がない」
短い時間でも毎日続けることが大切です。 5分でも10分でも、毎日の習慣にすることで効果が出ます。 週末にまとめて長く読むより、毎日少しずつの方が効果的です。
まとめ
親子読書は、子どもの読書習慣を育てるだけでなく、 親子のコミュニケーションを深め、子どもの成長を支える素晴らしい時間です。
この記事のポイント
- 年齢に合わせたアプローチで読書習慣を育てる
- 読み聞かせは就学後も効果的
- 本について語り合うことで理解が深まる
- 本が身近にある環境を作る
- 読書を強制せず、楽しさを伝える
- 親自身が読書を楽しむ姿を見せる
今夜、お子さんと一緒に本を読んでみませんか? その時間が、お子さんの人生を豊かにする読書習慣の第一歩になるかもしれません。