読書が苦手な人のための
本の選び方・読み方入門

図書館で本に悩む男性

「本を読もうと思っても、すぐ飽きてしまう…」
「読書が続かなくて、いつも途中で挫折してしまう…」
「周りは読書を楽しんでいるのに、自分には面白いと思えない…」

こんな悩みを抱えている方は少なくありません。でも、それはあなたの能力や努力が足りないからではありません。 自分に合った本の選び方・読み方を知らないだけなのです。

この記事では、読書が苦手だと感じている人でも無理なく楽しめる、具体的で実践的な方法を紹介します。

なぜ読書が苦手だと感じるのか?

まず、読書が苦手になる原因を理解しましょう。多くの場合、以下のような理由が考えられます。

読書が苦手になる主な原因

  • 自分に合わない本を選んでいる:難しすぎる、興味がないテーマ、長すぎる
  • 「全部読まなければ」という完璧主義:途中で飛ばしたり、読むのをやめることに罪悪感を感じる
  • まとまった時間がないと読めないという思い込み:実際は10分でも読書は楽しめる
  • 他人と比較してしまう:読むスピードや冊数を気にしすぎる
  • 義務感や強制:「読まなければいけない」と感じている

これらは多くの人に共通する悩みです。実は、文化庁の「国語に関する世論調査(令和5年度)」によると、 1か月に1冊も本を読まない人が全体の約51.4%に上ります。つまり、読書習慣がない人の方が多数派なのです。

出典:文化庁「国語に関する世論調査(令和5年度)」より。1か月に読んだ本の冊数について「読まない」と回答した人の割合。
文化庁 国語に関する世論調査

つまり、読書が苦手だと感じているのはあなただけではありません。 でも、正しいアプローチを知れば、誰でも読書を楽しめるようになります。

苦手意識を克服する本の選び方

読書が続かない最大の原因は、「最初の1冊の選び方」にあります。 以下のポイントを押さえて本を選ぶと、読書のハードルがグッと下がります。

1. 薄い本から始める(100〜150ページ)

まずは「完読する成功体験」を積むことが大切です。 300ページを超える本は、読書に慣れてからで十分。最初は100〜150ページ程度の薄い本を選びましょう。

新書や文庫本の中には、コンパクトで読みやすいものがたくさんあります。 「薄い本でも1冊読めた」という達成感が、次の読書につながります。

2. 興味のあるテーマを最優先する

「読むべき本」「有名な本」よりも、「自分が純粋に興味を持てる本」を選びましょう。 趣味、好きな芸能人のエッセイ、仕事に直結する実用書、気になる話題の本など、何でも構いません。

興味があれば、多少難しい内容でも読み進められます。 逆に、どんなに名著でも自分に興味がなければ続きません。

初心者におすすめのジャンル

  • 図解本・ビジュアル本:文字だけでなく、イラストや図表が多い
  • エッセイ・コラム集:短い文章の集まりで、どこから読んでもOK
  • 会話形式の本:対話形式で読みやすい
  • 漫画形式の実用書:マンガで解説する歴史、ビジネス、自己啓発など
  • ショートストーリー集:1話が短いので、隙間時間に読みやすい

3. 書店で「パラパラめくって」決める

オンラインで購入する前に、可能なら書店で実物を手に取ってみましょう。 目次を見て、気になる章がありますか? 文字の大きさ、余白、文体は読みやすそうですか?

最初の数ページを読んでみて、「続きが気になる」と感じるかどうかが重要です。 直感的に「読みづらい」と感じたら、その本は今のあなたには合っていないかもしれません。

初心者向けの読み方のコツ

本の選び方が分かったら、次は「読み方」です。 読書を続けるための、心理的なハードルを下げるコツを紹介します。

1. 「全部読まなくてもいい」マインドセット

本は最初から最後まで読まなくても大丈夫です。 面白くない章は飛ばしていいし、途中でやめてもいいのです。

「せっかく買ったのに…」という気持ちは分かりますが、義務感で読んでも内容は頭に入りません。 気になる部分だけ読む、それも立派な読書です。

「飛ばし読み」は悪いことではない

実は、効率的な読書法として「スキミング(拾い読み)」や「スキャニング(必要な情報を探す読み方)」が推奨されています。 特にビジネス書や実用書では、自分に必要な部分だけを読むことで、時間を有効活用できます。 小説でさえ、退屈なシーンを飛ばしてクライマックスだけ読む人も少なくありません。

2. 短い時間から始める(1日10分でOK)

「読書は何時間もかけてするもの」という思い込みを捨てましょう。 1日10分でも十分です。

朝起きてすぐ、通勤・通学の電車の中、寝る前のベッドの中など、 「この時間に読む」と決めておくと習慣化しやすくなります。

短時間読書のメリット

  • 継続しやすい:10分なら毎日続けられる
  • 集中力が保てる:長時間読むより集中して読める
  • 達成感が得られる:毎日の積み重ねが自信になる

1日10分でも、1週間で70分、1ヶ月で300分(5時間)。 これだけあれば、薄い本なら1〜2冊読めます。

3. メモを取りながら読む(記憶に残りやすい)

読みながら気になったところに線を引いたり、簡単なメモを取ったりすると、 記憶に残りやすく、読書がより楽しくなります。

「この言葉いいな」「これは試してみたい」と思った箇所をメモしておくと、 後で見返したときに「読んでよかった」と実感できます。

紙のノートでも、スマホのメモアプリでも、読書記録ツールでも、自分が使いやすい方法で構いません。 読書ノートの取り方については別の記事でも詳しく解説しています。

アウトプットが記憶を強化する

心理学の研究では、学んだ内容をアウトプット(書く、話す、要約する)することで、 記憶の定着率が大幅に向上することが分かっています。 読んだだけで終わらせず、簡単なメモを取るだけでも学習効果が高まるのです。 詳しくは読書の科学的効果の記事もご覧ください。

4. マンガ・図解本も立派な読書

「マンガは読書じゃない」と思っていませんか? そんなことはありません。マンガも立派な読書です。

歴史、哲学、ビジネス、科学など、さまざまなテーマを扱ったマンガや図解本があります。 まずはこうした本から始めて、「読み切る楽しさ」を体験することが大切です。

無理なく続けるための心構え

鍵で南京錠を開ける

最後に、読書を習慣化するための心構えをお伝えします。

1. 他人と比較しない

「月に10冊読んでいる人がいる」「速読できる人がうらやましい」——そんな比較は不要です。 読書は競争ではありません。

読むスピードも、冊数も、人それぞれ。自分のペースで楽しむことが一番大切です。

2. 「読まなければ」をやめる

読書を義務にしてしまうと、途端に楽しくなくなります。 「読みたいから読む」「面白そうだから読む」——そんな気持ちで本を手に取りましょう。

読み始めてつまらないと感じたら、無理に読み続けなくてもOK。 別の本に切り替えることも、読書を楽しむコツです。

3. 読書を「ご褒美」にする

コーヒーを淹れてゆっくり読む、お気に入りの場所で読む、お風呂上がりに読む—— 読書を心地よい時間とセットにすると、習慣化しやすくなります。

読書そのものが楽しくなくても、「この時間が好き」と思えれば続けられます。

4. 記録をつけてみる(やる気が続く)

読んだ本や感想を記録しておくと、達成感が得られてモチベーションが続きます。 「今月は2冊読めた」「去年より読書量が増えた」といった成長が見えると、自信にもつながります。

手帳に書いてもいいですし、スマホのアプリを使ってもOK。 読書記録を管理できるツールを使えば、過去の記録を振り返るのも簡単です。 こうした機能は、続けるモチベーションを保つのに役立ちます。

また、読書習慣を作るためのより詳しい方法は、 持続可能な読書習慣の作り方でも解説しています。

まとめ:自分らしい読書を楽しもう

読書が苦手だと感じているのは、決して珍しいことではありません。 でも、自分に合った本を選び、無理のない読み方をすれば、誰でも読書を楽しめるようになります。

この記事のポイント

  1. 薄い本(100〜150ページ)から始めて、完読する成功体験を積む
  2. 「有名な本」より「興味のある本」を優先する
  3. 全部読まなくてもOK。飛ばし読みも立派な読書
  4. 1日10分でも十分。短時間から始めて習慣化する
  5. 他人と比較せず、自分のペースで楽しむ
  6. 読書記録をつけると達成感が得られて続けやすい

読書は、本来とても自由で楽しいものです。 「こうあるべき」という固定観念を手放して、あなたらしい読書スタイルを見つけてください。

まずは、今日から1冊、薄くて面白そうな本を手に取ってみませんか?

よくある質問

Q1. 読書が苦手な人でも読みやすい本はありますか?

A. はい、あります。100〜150ページ程度の薄い本、図解やイラストが多い本、会話形式で書かれた本、 漫画形式の実用書などが初心者にはおすすめです。また、自分が興味のあるテーマを扱った本なら、 多少ページ数が多くても読み進めやすくなります。

Q2. 本は最初から最後まで読まないとダメですか?

A. いいえ、全部読む必要はありません。面白くない章は飛ばしてもOKですし、 目次を見て気になる部分だけ読むのも立派な読書です。「全部読まなければ」というプレッシャーが 読書を苦しくしていることが多いので、自由に読んで構いません。

Q3. 読書習慣を作るにはどのくらいの時間読めばいいですか?

A. 最初は1日10分程度から始めるのがおすすめです。朝起きてすぐ、通勤・通学時間、 寝る前など、決まった時間に読む習慣をつけると続けやすくなります。無理に長時間読もうとすると 挫折しやすいので、短い時間でも毎日続けることを優先しましょう。

Q4. 読んでもすぐ内容を忘れてしまうのですが…

A. 読みながら簡単なメモを取ると記憶に残りやすくなります。 章ごとに「面白かった点」「気になったこと」を一言メモするだけでも効果があります。 また、読了後に誰かに内容を話したり、SNSで感想をシェアしたりするアウトプットも記憶定着に有効です。

Q5. 読書が続かない理由は何ですか?

A. 主な理由として、①自分に合わない難しい本を選んでいる、 ②「全部読まなければ」という完璧主義、③まとまった時間がないと読めないという思い込み、 ④読書を義務だと感じている、などが挙げられます。これらの思い込みを手放し、 自分のペースで楽しむことが継続の鍵です。