多項式
Polynomial
1. 多項式の定義
変数 \( x \) の多項式とは、次の形の式: \[ p(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_1 x + a_0 \] ここで、\( a_0, a_1, \ldots, a_n \) は係数(定数)、\( n \) は非負整数。
多項式の基本用語:
- 次数 (degree): 最高次の項の指数 \( n \) (ただし \( a_n \neq 0 \))
- 係数 (coefficient): 各項の定数 \( a_i \)
- 項 (term): \( a_i x^i \) の形の各部分
- 最高次係数 (leading coefficient): \( a_n \)
- 定数項 (constant term): \( a_0 \)
\[ p(x) = 3x^4 - 2x^3 + 5x - 7 \]
- 次数: 4
- 最高次係数: 3
- 定数項: -7
2. 多項式の種類
2.1 次数による分類
| 次数 | 名称 | 一般形 | 例 |
|---|---|---|---|
| 0 | 定数多項式 | \( a_0 \) | \( 5 \) |
| 1 | 1次多項式(線形) | \( a_1 x + a_0 \) | \( 2x + 3 \) |
| 2 | 2次多項式(二次) | \( a_2 x^2 + a_1 x + a_0 \) | \( x^2 - 4x + 3 \) |
| 3 | 3次多項式(三次) | \( a_3 x^3 + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 \) | \( x^3 + 2x^2 - 5 \) |
| \( n \) | \( n \) 次多項式 | \( \sum_{i=0}^{n} a_i x^i \) | — |
3. 多項式の演算
3.1 加法と減法
同じ次数の項の係数を加算・減算:
\[ (a_n x^n + \cdots + a_0) + (b_n x^n + \cdots + b_0) = (a_n + b_n) x^n + \cdots + (a_0 + b_0) \]\[ (3x^2 + 2x + 1) + (x^2 - 5x + 4) = 4x^2 - 3x + 5 \]
3.2 乗法
分配法則により各項を掛け合わせる:
\[ (a_m x^m + \cdots)(b_n x^n + \cdots) = \sum_{i,j} a_i b_j x^{i+j} \]\[ (x + 2)(x - 3) = x^2 - 3x + 2x - 6 = x^2 - x - 6 \]
\[ \deg(p \cdot q) = \deg(p) + \deg(q) \] (零多項式でない場合)
3.3 除法
多項式 \( f(x), g(x) \) (\( g \neq 0 \)) に対し、一意的に \( q(x), r(x) \) が存在して: \[ f(x) = q(x) g(x) + r(x) \] ここで \( \deg(r) < \deg(g) \) または \( r = 0 \)。
- \( q(x) \): 商 (quotient)
- \( r(x) \): 余り (remainder)
\( f(x) \) の次数 \( n = \deg(f) \) に関する帰納法で示す。\( g(x) \) の次数を \( m = \deg(g) \) とする。
存在:
\( n < m \) のとき、\( q = 0,\; r = f \) とすればよい。
\( n \geq m \) のとき、\( f(x) = a_n x^n + \cdots \)、\( g(x) = b_m x^m + \cdots \) として
\[ f_1(x) = f(x) - \frac{a_n}{b_m}\,x^{n-m}\,g(x) \]とおくと、\( x^n \) の項が消えるので \( \deg(f_1) < n \) である。帰納法の仮定より \( f_1 = g\,q_1 + r_1 \)(\( \deg(r_1) < m \))と書けるから
\[ f = \frac{a_n}{b_m}\,x^{n-m}\,g + f_1 = g\!\left(\frac{a_n}{b_m}\,x^{n-m} + q_1\right) + r_1 \]これが求める分解である。
一意性:
\( f = g\,q_1 + r_1 = g\,q_2 + r_2 \) とすると \( g(q_1 - q_2) = r_2 - r_1 \) である。\( q_1 \neq q_2 \) と仮定すると、左辺の次数は \( \geq m \) だが、右辺の次数は \( < m \) となり矛盾する。よって \( q_1 = q_2 \) であり、\( r_1 = r_2 \) もわかる。\( \square \)
存在の証明で \( f(x) \) から \( \frac{a_n}{b_m}\,x^{n-m}\,g(x) \) を引いて最高次の項を消す操作は、多項式の筆算(長除法)の1ステップそのものである。帰納法で次数を下げていくことが、筆算を繰り返し行うことに対応する。
\( x^3 - 2x^2 + x - 3 \) を \( x - 2 \) で割る: \[ x^3 - 2x^2 + x - 3 = (x - 2)(x^2 + 1) + (-1) \] 商: \( x^2 + 1 \)、余り: \( -1 \)
4. 多項式の根
\( p(\alpha) = 0 \) となる \( \alpha \) を多項式 \( p(x) \) の根または零点という。
4.1 因数定理
\( \alpha \) が \( p(x) \) の根 ⇔ \( (x - \alpha) \) が \( p(x) \) の因数 \[ p(\alpha) = 0 \iff p(x) = (x - \alpha) q(x) \]
除法の原理(3.3節)により、\( p(x) \) を \( (x - \alpha) \) で割ると
\[ p(x) = (x - \alpha)\,q(x) + r \]と書ける。ここで \( \deg(r) < \deg(x - \alpha) = 1 \) なので、余り \( r \) は定数である。
この等式に \( x = \alpha \) を代入すると
\[ p(\alpha) = (\alpha - \alpha)\,q(\alpha) + r = r \]したがって \( p(\alpha) = 0 \iff r = 0 \iff p(x) = (x - \alpha)\,q(x) \)。\( \square \)
4.2 代数学の基本定理
複素数係数の \( n \) 次多項式は、複素数の範囲で(重複度を込めて)ちょうど \( n \) 個の根を持つ。
したがって、\( n \) 次多項式は次のように因数分解できる:
\[ p(x) = a_n (x - \alpha_1)(x - \alpha_2) \cdots (x - \alpha_n) \]この定理の名前には「代数学」とあるが、純粋に代数的な手段だけで証明することはできない。知られている証明はすべて、複素解析(リウヴィルの定理)や位相幾何学(連続写像の度数)など、解析的・位相的な議論を必要とする。ガウスが1799年の博士論文で最初の証明を試みたが、ジョルダン曲線定理を暗黙に仮定するなど不完全な部分があった。ガウスは生涯で4つの異なる証明を与えている。
最も簡潔な証明は、複素解析のリウヴィルの定理(有界な整関数は定数)を使うもので、わずか数行で完結する。→ 複素解析 初級 第5章:代数学の基本定理の証明
4.3 基本対称式
\( n \) 個の変数 \( \alpha_1, \alpha_2, \ldots, \alpha_n \) が与えられたとき、そこから \( k \) 個を選んで掛け合わせ、すべての選び方について足し合わせたものを第 \( k \) 基本対称式と呼ぶ。
\( n \) 個の変数 \( \alpha_1, \ldots, \alpha_n \) に対し、第 \( k \) 基本対称式 \( e_k \) を次で定義する: \[ e_k = e_k(\alpha_1, \ldots, \alpha_n) = \sum_{1 \leq i_1 < i_2 < \cdots < i_k \leq n} \alpha_{i_1}\,\alpha_{i_2}\cdots\alpha_{i_k} \] ただし \( e_0 = 1 \)(空の積)とする。\( k > n \) のときは \( e_k = 0 \) である。
「\( k \) 個を選ぶすべての組合せ」の積の和なので、選び方は \( \binom{n}{k} \) 通りあり、\( e_k \) は \( \binom{n}{k} \) 個の項の和になる。
\[ \begin{align} e_1 &= \alpha + \beta & &\text{(1個ずつ選ぶ → 和)} \\ e_2 &= \alpha\beta & &\text{(2個とも選ぶ → 積)} \end{align} \]
\[ \begin{align} e_1 &= \alpha + \beta + \gamma & &\text{(1個選ぶ:}\binom{3}{1} = 3\text{ 項)} \\ e_2 &= \alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha & &\text{(2個選ぶ:}\binom{3}{2} = 3\text{ 項)} \\ e_3 &= \alpha\beta\gamma & &\text{(3個選ぶ:}\binom{3}{3} = 1\text{ 項)} \end{align} \]
「対称」と呼ばれる理由は、変数をどのように入れ替えても値が変わらないからである。たとえば \( e_2(\alpha, \beta, \gamma) = \alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha \) において \( \alpha \) と \( \gamma \) を交換しても \( \gamma\beta + \beta\alpha + \alpha\gamma \) となり、同じ値である。
4.4 根と係数の関係(ヴィエトの公式)
\( n \) 次多項式 \( p(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_0 \) の根を \( \alpha_1, \ldots, \alpha_n \) とすると: \[ \begin{align} \alpha_1 + \alpha_2 + \cdots + \alpha_n &= -\frac{a_{n-1}}{a_n} \\ \alpha_1 \alpha_2 + \alpha_1 \alpha_3 + \cdots &= \frac{a_{n-2}}{a_n} \\ \vdots \\ \alpha_1 \alpha_2 \cdots \alpha_n &= (-1)^n \frac{a_0}{a_n} \end{align} \]
Step 1. \( a_n = 1 \) の場合
代数学の基本定理(定理4.2)より、最高次の係数が1の \( n \) 次多項式は根 \( \alpha_1, \ldots, \alpha_n \) を用いて
\[ p(x) = (x - \alpha_1)(x - \alpha_2) \cdots (x - \alpha_n) \]と因数分解できる。この積を展開する。各因子 \( (x - \alpha_i) \) から \( x \) か \( -\alpha_i \) のどちらか一方を選んで掛け合わせ、すべての選び方について足し合わせたものが展開結果である。
\( x^{n-k} \) の項が生じるのは、\( n \) 個の因子のうち \( n-k \) 個から \( x \) を、残り \( k \) 個から \( -\alpha_i \) を選んだときである。 残り \( k \) 個の選び方は \( \{1, 2, \ldots, n\} \) から \( k \) 個の添字を選ぶ組合せに対応する。一つの組合せ \( \{i_1, \ldots, i_k\} \) に対して得られる項は
\[ (-\alpha_{i_1})(-\alpha_{i_2})\cdots(-\alpha_{i_k}) = (-1)^k \,\alpha_{i_1}\alpha_{i_2}\cdots\alpha_{i_k} \]すべての組合せについて和をとると、\( x^{n-k} \) の係数は
\[ (-1)^k \!\!\!\sum_{1 \leq i_1 < i_2 < \cdots < i_k \leq n} \!\!\!\alpha_{i_1}\alpha_{i_2}\cdots\alpha_{i_k} = (-1)^k \, e_k \]となる(\( e_k \) は 4.3 節で定義した第 \( k \) 基本対称式)。したがって展開結果は
\[ (x - \alpha_1)\cdots(x - \alpha_n) = \sum_{k=0}^{n} (-1)^k \, e_k \, x^{n-k} \]書き下すと
\[ \begin{align} = x^n &- \underbrace{(\alpha_1 + \alpha_2 + \cdots + \alpha_n)}_{e_1}\,x^{n-1} \\ &+ \underbrace{(\alpha_1\alpha_2 + \alpha_1\alpha_3 + \cdots + \alpha_{n-1}\alpha_n)}_{e_2}\,x^{n-2} \\ &- \underbrace{(\alpha_1\alpha_2\alpha_3 + \cdots)}_{e_3}\,x^{n-3} + \cdots + (-1)^n\underbrace{\alpha_1\alpha_2\cdots\alpha_n}_{e_n} \end{align} \]一方、モニック多項式は \( p(x) = x^n + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_1 x + a_0 \)(ここで \( a_n = 1 \))と書けるから、\( x^{n-k} \) の係数を比較して
\[ a_{n-k} = (-1)^k \, e_k \qquad (k = 1, 2, \ldots, n) \]すなわち
\[ e_k = (-1)^k \, a_{n-k} \qquad (k = 1, 2, \ldots, n) \]これがモニック多項式に対するヴィエトの公式である。
Step 2. 一般の場合(\( a_n \neq 1 \))
\( p(x) = a_n x^n + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_0 \) の両辺を \( a_n \) で割ると
\[ \frac{p(x)}{a_n} = x^n + \frac{a_{n-1}}{a_n}x^{n-1} + \cdots + \frac{a_0}{a_n} \]はモニック多項式であり、根は同じ \( \alpha_1, \ldots, \alpha_n \) である。このモニック多項式の \( x^{n-k} \) の係数は \( a_{n-k}/a_n \) なので、Step 1 の結果をそのまま適用して
\[ e_k(\alpha_1, \ldots, \alpha_n) = (-1)^k \,\frac{a_{n-k}}{a_n} \qquad (k = 1, 2, \ldots, n) \]が得られる。\( \square \)
\( x^2 + px + q = 0 \)(\( a_2 = 1,\; a_1 = p,\; a_0 = q \))の解を \( \alpha, \beta \) とすると: \[ \alpha + \beta = -\frac{a_1}{a_2} = -p, \quad \alpha \beta = \frac{a_0}{a_2} = q \]
\( x^3 + bx^2 + cx + d = 0 \) の解を \( \alpha, \beta, \gamma \) とすると: \[ \begin{align} \alpha + \beta + \gamma &= -b \\ \alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha &= c \\ \alpha\beta\gamma &= -d \end{align} \]
5. 特殊な多項式
最高次係数が1の多項式: \[ p(x) = x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \cdots + a_0 \]
すべての係数が0の多項式。次数は定義されない(または \( -\infty \))。
5.1 チェビシェフ多項式
第1種チェビシェフ多項式 \( T_n(x) \) は次で定義される: \[ T_n(\cos \theta) = \cos(n\theta) \] または漸化式: \[ T_0(x) = 1, \quad T_1(x) = x, \quad T_{n+1}(x) = 2x T_n(x) - T_{n-1}(x) \]
\( n \) に関する帰納法で示す。
\( n = 0 \): \( T_0(\cos\theta) = 1 = \cos 0 \)。\( n = 1 \): \( T_1(\cos\theta) = \cos\theta \)。いずれも成立。
\( n-1, n \) で成り立つと仮定する。三角関数の加法定理より
\[ \cos((n+1)\theta) + \cos((n-1)\theta) = 2\cos\theta\,\cos(n\theta) \]これを変形すると
\[ \cos((n+1)\theta) = 2\cos\theta\,\cos(n\theta) - \cos((n-1)\theta) \]帰納法の仮定 \( T_n(\cos\theta) = \cos(n\theta) \)、\( T_{n-1}(\cos\theta) = \cos((n-1)\theta) \) を代入すると
\[ \cos((n+1)\theta) = 2\cos\theta\,T_n(\cos\theta) - T_{n-1}(\cos\theta) = T_{n+1}(\cos\theta) \]よって \( T_{n+1}(\cos\theta) = \cos((n+1)\theta) \) が成り立つ。\( \square \)
5.2 エルミート多項式
\[ H_n(x) = (-1)^n e^{x^2} \frac{d^n}{dx^n} e^{-x^2} \] 量子力学の調和振動子に登場。
5.3 ルジャンドル多項式
\[ P_n(x) = \frac{1}{2^n n!} \frac{d^n}{dx^n} (x^2 - 1)^n \] 球面調和関数の基礎。
6. 多項式環
環 \( R \) 上の多項式全体の集合 \( R[x] \) は、多項式の加法と乗法によって環をなす。
多項式環の性質:
- \( R \) が整域 ⇒ \( R[x] \) も整域
- \( R \) が体 \( F \) のとき、\( F[x] \) は主イデアル整域(PID)
- \( F[x] \) では一意的因数分解が可能
6.1 既約多項式
体 \( F \) 上の多項式 \( p(x) \) が既約であるとは、\( F[x] \) で非自明な因数分解を持たないときをいう。
- \( x^2 + 1 \) は \( \mathbb{R} \) 上で既約だが、\( \mathbb{C} \) 上では既約でない(\( (x-i)(x+i) \))
- \( x^2 + x + 1 \) は \( \mathbb{F}_2 \)(標数2の体)上で既約
7. 多変数多項式
複数の変数 \( x_1, \ldots, x_n \) の多項式: \[ p(x_1, \ldots, x_n) = \sum_{i_1, \ldots, i_n} a_{i_1 \cdots i_n} x_1^{i_1} \cdots x_n^{i_n} \]
項 \( x_1^{i_1} \cdots x_n^{i_n} \) の全次数は \( i_1 + \cdots + i_n \)。多項式の全次数は最大の全次数。
\[ p(x, y) = x^3 y + 2xy^2 - 3x + 5 \] 全次数: 4 (項 \( x^3 y \) の全次数)
8. 多項式の補間
\( n+1 \) 個の点 \( (x_0, y_0), \ldots, (x_n, y_n) \) (\( x_i \) は相異なる)を通る \( n \) 次以下の多項式は一意的に存在: \[ p(x) = \sum_{i=0}^{n} y_i \prod_{j \neq i} \frac{x - x_j}{x_i - x_j} \]
存在:各 \( i = 0, 1, \ldots, n \) に対し、ラグランジュ基底多項式
\[ L_i(x) = \prod_{j \neq i} \frac{x - x_j}{x_i - x_j} \]を定義する。\( L_i(x) \) は \( n \) 次多項式であり、
\[ L_i(x_k) = \begin{cases} 1 & (k = i) \\ 0 & (k \neq i) \end{cases} \]が成り立つ。なぜなら、\( k \neq i \) のとき分子の因子 \( (x_k - x_k) = 0 \) が含まれ、\( k = i \) のとき分子と分母が一致するからである。
これを用いて \( p(x) = \displaystyle\sum_{i=0}^{n} y_i\,L_i(x) \) とおくと、\( p(x) \) は \( n \) 次以下の多項式であり、
\[ p(x_k) = \sum_{i=0}^{n} y_i\,L_i(x_k) = y_k \]となるので、すべての点を通る。
一意性:\( n \) 次以下の多項式 \( p(x), q(x) \) がともにすべての点を通るとすると、差 \( d(x) = p(x) - q(x) \) は \( n \) 次以下の多項式で \( d(x_0) = d(x_1) = \cdots = d(x_n) = 0 \) を満たす。\( n \) 次以下の多項式が \( n+1 \) 個の根を持つのは零多項式に限るので、\( d(x) = 0 \)、すなわち \( p(x) = q(x) \) である。\( \square \)
9. 応用
9.1 数値計算
- 多項式近似: テイラー展開、チェビシェフ近似
- 数値積分: ガウス求積法
- 補間法: スプライン補間
9.2 符号理論
- 巡回符号: 生成多項式
- リード・ソロモン符号: 有限体上の多項式
9.3 暗号理論
- AES暗号: \( \mathbb{F}_{2^8} \) の既約多項式
- 楕円曲線暗号: 多項式方程式
9.4 制御理論
- 伝達関数: 有理関数(多項式の比)
- 特性多項式: システムの安定性解析
10. 多項式の判定と性質
10.1 判別式
\( n \) 次多項式 \( f(x) = a_n x^n + \cdots + a_0 \) の根を \( \alpha_1, \ldots, \alpha_n \) とするとき、判別式は \[ \Delta = a_n^{2n-2} \prod_{i < j} (\alpha_i - \alpha_j)^2 \] で定義される。\( \Delta = 0 \iff f \) が重根を持つ。
一般の定義で \( n = 2 \) とすると:
\[ \Delta = a_n^{2n-2} \prod_{i < j} (\alpha_i - \alpha_j)^2 = a^{2 \cdot 2 - 2}(\alpha - \beta)^2 = a^2(\alpha - \beta)^2 \]ヴィエタの公式より \( \alpha + \beta = -\dfrac{b}{a} \)、\( \alpha\beta = \dfrac{c}{a} \) であるから:
\[ (\alpha - \beta)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta = \frac{b^2}{a^2} - \frac{4c}{a} = \frac{b^2 - 4ac}{a^2} \]よって:
\[ \Delta = a^2 \cdot \frac{b^2 - 4ac}{a^2} = b^2 - 4ac \]- \( \Delta > 0 \): 2つの相異なる実根
- \( \Delta = 0 \): 重根
- \( \Delta < 0 \): 2つの複素根(共役)
一般の3次多項式 \( ax^3 + bx^2 + cx + d \) の判別式を直接計算すると、4つの係数が絡み合い式が複雑になる。そこで \( x^2 \) の項を消す変数変換で計算を簡単にする。
\( x = t - \dfrac{b}{3a} \) と置換すると、\( x^2 \) の項が消えて
\[ a\!\left(t^3 + pt + q\right) = 0 \]の形になる(\( p, q \) は \( a, b, c, d \) の式)。\( a \neq 0 \) で割れば簡約3次式(depressed cubic)
\[ f(t) = t^3 + pt + q \]を得る。判別式は根の差の積で定義されるから、\( x = t - b/(3a) \) の平行移動では根の差 \( \alpha_i - \alpha_j \) は変わらず、最高次係数も同じなので、判別式の値は変換前後で一致する。
以下、簡約形 \( f(x) = x^3 + px + q \) の根を \( \alpha_1, \alpha_2, \alpha_3 \) とする。モニック多項式(\( a_n = 1 \))なので:
\[ \Delta = \prod_{i < j}(\alpha_i - \alpha_j)^2 = (\alpha_1 - \alpha_2)^2(\alpha_1 - \alpha_3)^2(\alpha_2 - \alpha_3)^2 \]\( f(x) = (x - \alpha_1)(x - \alpha_2)(x - \alpha_3) \) を微分すると、\( x = \alpha_i \) では \( \alpha_i \) を含まない因子の積だけが残るので
\[ f'(\alpha_i) = \prod_{j \neq i}(\alpha_i - \alpha_j) \]3つの根での値の積をとると、各対 \( (\alpha_i - \alpha_j) \) と \( (\alpha_j - \alpha_i) = -(\alpha_i - \alpha_j) \) が現れるから
\[ \prod_{i=1}^{3} f'(\alpha_i) = (-1)^3 \prod_{i < j}(\alpha_i - \alpha_j)^2 = -\Delta \]\( f'(x) = 3x^2 + p \) なので
\[ \Delta = -\prod_{i=1}^{3}(3\alpha_i^2 + p) \]この積を展開する。まずヴィエタの公式より
\[ e_1 = \alpha_1 + \alpha_2 + \alpha_3 = 0, \quad e_2 = \alpha_1\alpha_2 + \alpha_2\alpha_3 + \alpha_3\alpha_1 = p, \quad e_3 = \alpha_1\alpha_2\alpha_3 = -q \]展開に必要な「根の2乗」の対称式を求める:
\[ \begin{align} \alpha_1^2 + \alpha_2^2 + \alpha_3^2 &= e_1^2 - 2e_2 = 0 - 2p = -2p \\ (\alpha_1\alpha_2)^2 + (\alpha_2\alpha_3)^2 + (\alpha_3\alpha_1)^2 &= e_2^2 - 2e_1 e_3 = p^2 - 0 = p^2 \\ (\alpha_1\alpha_2\alpha_3)^2 &= e_3^2 = q^2 \end{align} \]積を展開すると
\[ \begin{align} \prod_{i=1}^{3}(3\alpha_i^2 + p) &= 27\,\alpha_1^2\alpha_2^2\alpha_3^2 + 9p\bigl((\alpha_1\alpha_2)^2 + (\alpha_2\alpha_3)^2 + (\alpha_3\alpha_1)^2\bigr) \\ &\quad + 3p^2(\alpha_1^2 + \alpha_2^2 + \alpha_3^2) + p^3 \\ &= 27q^2 + 9p \cdot p^2 + 3p^2 \cdot (-2p) + p^3 \\ &= 27q^2 + 9p^3 - 6p^3 + p^3 = 4p^3 + 27q^2 \end{align} \]よって
\[ \Delta = -(4p^3 + 27q^2) = -4p^3 - 27q^2 \]10.2 終結式
\( n \) 次多項式 \( f(x) = a_n x^n + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_0 \) と \( m \) 次多項式 \( g(x) = b_m x^m + b_{m-1}x^{m-1} + \cdots + b_0 \) の終結式 \( \operatorname{Res}(f, g) \) は、次の \( (n+m) \times (n+m) \) シルベスター行列 (Sylvester matrix) の行列式で定義される:
\[ \operatorname{Res}(f, g) = \det \begin{pmatrix} a_n & a_{n-1} & \cdots & a_0 & & & \\ & a_n & a_{n-1} & \cdots & a_0 & & \\ & & \ddots & & & \ddots & \\ & & & a_n & a_{n-1} & \cdots & a_0 \\ b_m & b_{m-1} & \cdots & b_0 & & & \\ & b_m & b_{m-1} & \cdots & b_0 & & \\ & & \ddots & & & \ddots & \\ & & & b_m & b_{m-1} & \cdots & b_0 \end{pmatrix} \]上 \( m \) 行は \( f \) の係数を1列ずつずらして並べたもの、下 \( n \) 行は \( g \) の係数を同様に並べたもの。空白部分は 0 である。
終結式 \( \operatorname{Res}(f, g) \) と複素解析の留数 \( \underset{z=a}{\operatorname{Res}}\, f(z) \) はどちらも Res と略記されるが、まったく別の概念である。終結式は2つの多項式を引数にとり、留数は関数と特異点を指定する。文脈と記法(引数の形)で区別される。
\( n = 2, m = 1 \) なので \( 3 \times 3 \) のシルベスター行列:
\[ \operatorname{Res}(f, g) = \det \begin{pmatrix} 1 & 0 & -1 \\ 1 & -2 & 0 \\ 0 & 1 & -2 \end{pmatrix} = 1(4 - 0) - 0 + (-1)(1 - 0) = 3 \neq 0 \]\[ \operatorname{Res}(f, g) = \det \begin{pmatrix} 1 & 0 & -1 \\ 1 & -1 & 0 \\ 0 & 1 & -1 \end{pmatrix} = 1(1 - 0) - 0 + (-1)(1 - 0) = 0 \]
\( f(x) = a_n(x - \alpha_1) \cdots (x - \alpha_n) \) とすると: \[ \operatorname{Res}(f, g) = a_n^m \prod_{i=1}^{n} g(\alpha_i) \]
\( n = 1 \) のとき:\( f(x) = a_1(x - \alpha_1) \) とする。シルベスター行列は \( (m+1) \times (m+1) \) で、上 \( m \) 行は \( f \) の係数 \( (a_1, -a_1\alpha_1) \) を1列ずつずらしたもの:
\[ S = \begin{pmatrix} a_1 & -a_1\alpha_1 & 0 & \cdots & 0 \\ 0 & a_1 & -a_1\alpha_1 & \cdots & 0 \\ \vdots & & \ddots & \ddots & \vdots \\ 0 & \cdots & 0 & a_1 & -a_1\alpha_1 \\ b_m & b_{m-1} & b_{m-2} & \cdots & b_0 \end{pmatrix} \]第 \( j \) 列に \( \alpha_1 \) 倍した第 \( (j-1) \) 列を加える操作を \( j = 2, 3, \ldots, m+1 \) の順に行うと、上 \( m \) 行の非対角成分が消え、最終行の第 \( k \) 成分は \( \displaystyle\sum_{i=0}^{k-1} b_{m-i}\,\alpha_1^{k-1-i} \) となる。とくに最後の成分は \( b_m\alpha_1^m + b_{m-1}\alpha_1^{m-1} + \cdots + b_0 = g(\alpha_1) \) である。上三角部分は対角成分がすべて \( a_1 \) なので
\[ \det S = a_1^m \cdot g(\alpha_1) \]一般の場合:終結式の乗法性(\( \operatorname{Res}(f_1 f_2,\, g) = \operatorname{Res}(f_1,\, g)\,\operatorname{Res}(f_2,\, g) \))を認めると、\( f = a_n(x - \alpha_1) \cdots (x - \alpha_n) \) に対して
\[ \operatorname{Res}(f, g) = a_n^m \prod_{i=1}^{n} \operatorname{Res}(x - \alpha_i,\, g) = a_n^m \prod_{i=1}^{n} g(\alpha_i) \]が得られる。\( \square \)
先ほどの例で確認する。\( f(x) = x^2 - 1 = (x-1)(x+1) \)、\( g(x) = x - 2 \) のとき: \[ \operatorname{Res}(f, g) = 1^1 \cdot g(1) \cdot g(-1) = (-1)(-3) = 3 \quad \checkmark \]
この定理から \( \operatorname{Res}(f, g) = 0 \iff \) いずれかの \( g(\alpha_i) = 0 \iff f \) と \( g \) が共通根を持つ、がわかる。
\( n \) 次多項式 \( f \) の判別式は終結式を用いて次のように表せる: \[ \Delta(f) = \frac{(-1)^{n(n-1)/2}}{a_n} \operatorname{Res}(f,\, f') \]
\( f(x) = a_n(x - \alpha_1)(x - \alpha_2) \cdots (x - \alpha_n) \) を微分すると
\[ f'(x) = a_n \sum_{i=1}^{n} \prod_{j \neq i}(x - \alpha_j) \]\( x = \alpha_i \) を代入すると、\( i \) 以外の項はすべて因子 \( (\alpha_i - \alpha_i) = 0 \) を含んで消えるので
\[ f'(\alpha_i) = a_n \prod_{j \neq i}(\alpha_i - \alpha_j) \]根の積による表示(\( f' \) は \( n-1 \) 次なので \( m = n-1 \))を適用すると
\[ \operatorname{Res}(f, f') = a_n^{n-1} \prod_{i=1}^{n} f'(\alpha_i) = a_n^{n-1} \prod_{i=1}^{n} a_n \prod_{j \neq i}(\alpha_i - \alpha_j) = a_n^{2n-1} \prod_{i=1}^{n} \prod_{j \neq i}(\alpha_i - \alpha_j) \]積 \( \displaystyle\prod_{i=1}^{n}\prod_{j \neq i}(\alpha_i - \alpha_j) \) では、各対 \( (i, j) \) に対して因子 \( (\alpha_i - \alpha_j) \) と \( (\alpha_j - \alpha_i) = -(\alpha_i - \alpha_j) \) が1回ずつ現れる。\( i < j \) となる対は \( \binom{n}{2} = \dfrac{n(n-1)}{2} \) 個あるので
\[ \prod_{i=1}^{n}\prod_{j \neq i}(\alpha_i - \alpha_j) = (-1)^{n(n-1)/2} \prod_{i < j}(\alpha_i - \alpha_j)^2 \]判別式の定義 \( \Delta = a_n^{2n-2}\displaystyle\prod_{i < j}(\alpha_i - \alpha_j)^2 \) を代入すると
\[ \operatorname{Res}(f, f') = a_n^{2n-1} \cdot (-1)^{n(n-1)/2} \cdot \frac{\Delta}{a_n^{2n-2}} = (-1)^{n(n-1)/2}\, a_n\, \Delta \]\( \Delta \) について解くと
\[ \Delta = \frac{(-1)^{n(n-1)/2}}{a_n} \operatorname{Res}(f,\, f') \]が得られる。\( \square \)
\( f \) が重根 \( \alpha \) を持つとき、\( f(\alpha) = 0 \) かつ \( f'(\alpha) = 0 \) なので、\( f \) と \( f' \) は共通根 \( \alpha \) を持つ。逆もまた成り立つ。したがって「\( f \) が重根を持つ (\( \Delta = 0 \))」と「\( f \) と \( f' \) が共通根を持つ (\( \operatorname{Res}(f, f') = 0 \))」は同値であり、判別式と終結式が結びつくのは自然である。
11. 多項式の歴史
多項式は、方程式を解く実用的な必要性から始まり、4000年以上の歳月を経て、現代代数学の礎を築いた。以下では、次数ごとに解法が発見されていった歴史を辿る。
11.1 1次式 — 方程式の原点
最も単純な多項式方程式 \( ax + b = 0 \) は、文明とともにある。古代エジプトのリンド・パピルス(紀元前1650年頃)には「ある量にその \( \frac{1}{7} \) を加えると19になる」(\( x + \frac{x}{7} = 19 \))といった1次方程式が記録されている。古代バビロニアも穀物の分配や労働日数の計算として1次方程式を日常的に解いていた。
1次式の解法 \( x = -b/a \) は自明に見えるが、これが可能であるためには除法と負の数の概念が必要であり、負の数が一般に受け入れられるには17世紀まで待たなければならなかった。
11.2 2次式 — バビロニアの平方完成
紀元前2000年頃のバビロニアの粘土板には、2次方程式の解法が手順(アルゴリズム)として記録されている。「正方形の面積と一辺の和が与えられたとき、辺の長さを求めよ」という問題は、現代の記号で書けば \( x^2 + bx = c \) である。バビロニア人は本質的に平方完成を行い、この方程式を解いた。
古代ギリシアでは、ユークリッドが『原論』の中で線分の操作として2次方程式を扱った(面積のあてはめ)。しかし「多項式」という代数的対象の概念はまだ存在せず、すべては幾何学的に処理された。
9世紀、アル=フワーリズミーは著書『復元と対比の書(アル・ジャブル)』で2次方程式を6つの標準形に分類し、それぞれの解法を体系的に示した。この書名がalgebraの語源である。彼が負の数や零を係数として認めなかったため、\( x^2 = bx \)、\( x^2 + bx = c \)、\( x^2 + c = bx \) 等は別の型として扱われた。
11.3 3次式 — ルネサンスの方程式戦争
11世紀、ペルシアの詩人・数学者オマル・ハイヤームは3次方程式を19の型に分類し、円錐曲線の交点として幾何学的に解いた。しかし代数的な公式は得られなかった。
突破口を開いたのは16世紀イタリアの数学者たちである。ボローニャ大学のデル・フェッロが1515年頃に \( x^3 + px = q \) の解の公式を発見し、秘密にしていた。タルターリアが独立に同じ公式に到達し、カルダーノが1545年の著書『アルス・マグナ』で公表した。この公式はカルダーノの公式として知られる:
\[ x = \sqrt[3]{-\frac{q}{2} + \sqrt{\frac{q^2}{4} + \frac{p^3}{27}}} + \sqrt[3]{-\frac{q}{2} - \sqrt{\frac{q^2}{4} + \frac{p^3}{27}}} \]この公式は、実数の根を持つ場合でも負の数の平方根(虚数)を経由して答えに到達することがある(還元不能の場合: casus irreducibilis)。これが複素数の概念を生む契機となった。
11.4 4次式 — フェラーリの解法
カルダーノの弟子フェラーリは、4次方程式を補助的な3次方程式(レゾルベント)に帰着させて解く方法を発見した。これも『アルス・マグナ』に収録されている。
これにより、1次から4次までのすべての多項式方程式がべき根(四則演算と累乗根)で解けることが確立された。
11.5 記号代数の発展
解の公式と並行して、多項式を扱う言語そのものも進化した。
- ディオファントス(3世紀頃):方程式を略記号で書き始めた最初の人物
- ヴィエト(16世紀後半):文字を使った記号代数を確立し、根と係数の関係(4.4節のヴィエトの公式)を発見した
- デカルト(17世紀):座標幾何学により多項式と曲線を結びつけ、符号の法則(正の根の個数の上界)を示した
ヴィエトの貢献は、個々の方程式を解くだけでなく、根の持つ性質を一般的に論じるという視点の転換であった。
11.6 5次以上 — 解けないことの証明
18世紀、ラグランジュは3次・4次の解法を置換の観点から統一的に分析し、同じ方法では5次方程式が解けないことを示唆した。
1799年、ガウスは代数学の基本定理(4.2節)を証明し、\( n \) 次多項式が \( \mathbb{C} \) 上で \( n \) 個の根を持つことを示した。根は必ず存在する。しかし、それを公式で書けるかは別の問題である。
1824年、アーベルは「5次以上の一般の多項式方程式は、四則演算とべき根では解けない」ことを証明した(アーベル=ルフィニの定理)。
1832年、ガロアは方程式の可解性を群の構造で完全に特徴づけた。具体的な方程式が与えられたとき、それがべき根で解けるかどうかを判定する理論(ガロア理論)を創った。5次対称群 \( S_5 \) が可解群でないことが、5次方程式の解の公式が存在しない根本的理由である。
11.7 年表
| 時代 | 到達点 |
|---|---|
| 紀元前1650年頃 | エジプト:リンド・パピルスに1次方程式 |
| 紀元前2000年頃 | バビロニア:2次方程式を平方完成で解く |
| 紀元前3世紀 | ユークリッド『原論』:幾何学的な方程式解法 |
| 3世紀頃 | ディオファントス:略記号による方程式記述 |
| 9世紀 | アル=フワーリズミー:代数学 (algebra) の体系化 |
| 11世紀 | オマル・ハイヤーム:3次方程式の幾何的解法 |
| 1545年 | カルダーノ『アルス・マグナ』:3次・4次の公式 |
| 16世紀後半 | ヴィエト:記号代数と根・係数の関係 |
| 1637年 | デカルト:座標幾何学、符号の法則 |
| 1770年 | ラグランジュ:置換による解法の分析 |
| 1799年 | ガウス:代数学の基本定理の証明 |
| 1824年 | アーベル:5次方程式の不可解性の証明 |
| 1832年 | ガロア:ガロア理論の創設 |
12. まとめ
多項式は:
- 変数のべき乗の線形結合として表される代数的表現
- 次数により分類され、特有の性質を持つ
- 加法・乗法・除法が定義され、除法の原理が成り立つ
- 代数学の基本定理により複素数で完全に因数分解可能
- 根と係数の関係(ヴィエトの公式)が成り立つ
- 特殊多項式(チェビシェフ、エルミート、ルジャンドル)が重要
- 多項式環は代数学の基本的対象
- 数値計算、符号理論、暗号理論、制御理論など広範に応用
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