数値解析 入門

数値計算の基礎(高校レベル)

入門の概要

入門では、数値計算とは何かを直感的に理解する。コンピュータで数学の問題を解くとはどういうことか、そこにどのような誤差が生じるのかを学ぶ。

学習目標

  • 数値計算の基本的な考え方を理解する
  • 誤差の概念(丸め誤差、打ち切り誤差)を知る
  • 二分法で方程式の解を求められる
  • 数値微分・数値積分の基本的な考え方を理解する
  • 計算機で「正確に」計算できない場合があることを理解する

目次

  1. 第1章 数値計算とは

    数値計算の目的、解析解と数値解の違い、近似の考え方

  2. 第2章 誤差の基礎

    絶対誤差、相対誤差、丸め誤差、打ち切り誤差

  3. 第3章 二分法

    方程式 $f(x) = 0$ の解を求める最も基本的な方法

  4. 第4章 数値微分の初歩

    差分近似 $f'(x) \approx \frac{f(x+h) - f(x)}{h}$ の考え方

  5. 第5章 数値積分の初歩

    区分求積法、台形則の直感的理解

  6. 第6章 計算の落とし穴

    桁落ち、情報落ち、オーバーフロー・アンダーフロー

二分法の可視化

二分法は、関数 $f(x) = 0$ の解を区間を半分に狭めながら見つける方法である。連続関数 $f$ について $f(a)$ と $f(b)$ の符号が異なれば、中間値の定理により区間 $(a, b)$ 内に必ず解が存在する。二分法はこの性質を利用して、中点 $c = (a+b)/2$ での符号を調べ、解がある側の半区間に絞り込む操作を繰り返す。

f(x)=x²−2 のグラフ上で区間 [a, b] を設定し、中点 c での符号を調べて解がある側の半区間に絞り込む二分法の概念図。 x y 0 y = x² − 2 f(a)<0 f(b)>0 f(c)>0 a c b 次は [a, c] を探索
f(a) と f(b) の符号が異なる → 区間内に解が存在。中点 c = (a+b)/2 で区間を半分に狭める。

前提知識

  • 中学数学の基礎(方程式、関数のグラフ)
  • 高校数学(微分・積分の基本概念)があれば望ましい