数値解析 中級
数値線形代数と微分方程式(大学3-4年レベル)
中級の概要
中級では、数値線形代数と常微分方程式の数値解法を学ぶ。連立一次方程式の解法、固有値計算、そして微分方程式を数値的に解く手法を習得する。
学習目標
- ガウスの消去法とLU分解を理解し実装できる
- 反復法(ヤコビ法、ガウス・ザイデル法)を使える
- べき乗法とQR分解による固有値計算を理解する
- ルンゲ・クッタ法で常微分方程式を解ける
- 数値解法の安定性について理解する
目次
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第1章
ガウスの消去法
前進消去・後退代入、ピボット選択、計算量 $O(n^3)$
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第2章
LU分解
$A = LU$ への分解、コレスキー分解、三角方程式の解法
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第3章
条件数と誤差解析
条件数 $\kappa(A)$、悪条件行列、誤差の伝播
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第4章
反復法
ヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法、収束条件
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第5章
固有値問題
べき乗法、逆反復法、QR法、固有値の感度
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第6章
常微分方程式の数値解法(基礎)
オイラー法、改良オイラー法、局所打切り誤差
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第7章
ルンゲ・クッタ法
RK4、ブッチャー表、埋め込み型公式、刻み幅制御
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第8章
安定性解析
絶対安定性、A安定性、硬い方程式、陰的方法
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第9章
多項式の求根(複素根)
Weierstrass-Durand-Kerner法、Aberth-Ehrlich法、同時反復
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第10章
近似理論
最良近似、$L^2$/$L^\infty$ノルム、チェビシェフ近似、Remez交換定理
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第11章
Padé近似
有理関数による近似、連分数展開、数値計算への応用
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第12章
QR分解
Gram-Schmidt法、Householder変換、Givens回転、最小二乗法への応用
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第13章
Cholesky分解
対称正定値行列の分解、数値的安定性、連立方程式の解法
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第14章
特異値分解 (SVD)
特異値・特異ベクトル、低ランク近似、PCA、画像圧縮
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第15章
数値最適化の基礎
最適化問題の分類、最適性条件、最急降下法、収束の速さ
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第16章
1次元探索
黄金分割法、Armijo条件、Wolfe条件、Backtracking
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第17章
共役勾配法
共役方向、Fletcher-Reeves法、Polak-Ribière法、非線形CG法
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第18章
準ニュートン法
BFGS法、DFP法、Secant条件、L-BFGS
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第19章
多変数ニュートン法
多変数非線形方程式系、ヤコビ行列、2次収束、グローバル化手法
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第20章
非線形最小二乗法
ガウス・ニュートン法、レーベンバーグ・マルカート法、カーブフィッティング
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第21章
スツルム列と実根の計数
スツルム列の構成、スツルムの定理、符号変移、根の分離
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第22章
LDL分解
平方根不要の対称行列分解、Bunch-Kaufmanピボット、不定値対称系
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第23章
べき乗法と逆反復法
べき乗法、逆べき乗法、シフト付き逆反復法、レイリー商反復法
LU分解の可視化
行列 $A$ を下三角行列 $L$ と上三角行列 $U$ の積に分解する。
オイラー法の可視化
複素根の同時反復法
Aberth-Ehrlich法は、すべての根を同時に更新し、互いに反発させながら収束させる。
前提知識
- 数値解析 初級の内容
- 線形代数(行列、固有値)
- 微分方程式の基礎