I

i (あい)

数学分野で $i$ は虚数単位 (Imaginary unit) を表すが、電気・電子分野では電流 (Intensity) を表す。

IIR (あいあいあーる)

IIR は Infinite Impulse Response の略で、「無限インパルス応答」と訳されている。

IIR タイプのフィルタは、入力信号が途絶えても (0 ばかり入力されるようになっても) 理論上はいつまでも出力が続く (0 ばかり出力されるようにならない) 性質を持つ。


IIR タイプのフィルタにインパルス(単位パルス)を入力した時の出力例。減衰しながらも出力が永遠に続く。

離散時間の場合、無限に続くインパルス応答 \(h(n),\ n=0,1,2,\cdots\) を持つ伝達関数は次式となる (\(\sum\) の上が \(\infty\) である点に注意)。 \begin{eqnarray} H(z) &=& \sum_{n=0}^\infty h(n) z^{-n} \label{Hz} \end{eqnarray}

普通に IIR と言った場合の伝達関数は次式の形で、下のブロック図に示すようにフィードバックを持つ線形フィルタで実現される。 \begin{eqnarray} H(z) &=& \frac{\displaystyle\sum_{n=0}^N a(n) z^{-n}}{1+\displaystyle\sum_{n=1}^M b(n) z^{-n}} \label{Hz2} \end{eqnarray} ただし、分子は分母で割り切れないものとする (割り切れると FIR* になってしまう)。

* 入力信号が途絶えると、一定時間後に出力も途絶えるタイプを FIR (Finite Impulse Response) と呼ぶ。

式(\ref{Hz2})の IIR が発散したり発振したりせず、安定であるためには、\(H(z)\) のすべての極が \(z\) 平面の原点を中心とした単位円 \(|z|=1\) の内側になければならない。


IIR (1Dタイプ) のブロック図

この図以外にも IIR には様々な構成法がある。